あらすじ
佐和子の家族はちょっとヘン。
父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。
そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。
それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。
第26回(2005年) 吉川英治文学新人賞受賞
深く、長く、心の奥に響き続ける永遠の名作
切なさの分だけ、家族はたしかにつながっていく。
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」春休み最後の日、朝の食卓で父さんが言った。
涙が溢れるほどに、優しくて温かい。
映画化もされたベストセラー小説。
映画化された小説
2006年にコミックが出版。
映画は2007年1月27日に公開。
Yahoo!映画の評価では4.16 点を記録!(評価:669件)
めっちゃ評判いいですね!
みたら感想を追記しますっ!


感想
なんとも異質で奇妙な家族だと思う。
そりゃ父親が自宅の浴槽で自殺したら、おかしくもなるわな。
って思うんだけど、誰もが逃げたくなるその状況で、この家族は逃げずにひっそりと戦っているみたいな。
それぞれが深く傷を負いながらも、生きていくためにどうすればいいのか?
それを考えながら、異質でも奇妙でも、『家族』というものを放棄せずにいるのが素晴らしい良さだと思う。
大きなトラウマを抱えながらも、一番良い距離を互いに見出していく。
家族のカタチが変わっても、変わらない温かさを感じる作品。
自殺を失敗し、自殺未遂となった父親がいちばんケロっとしているかんじがなんともシュールな感じで笑えた。
そこまで追い詰められてからしか気づけないこともあるんだろうなあと、痛感。
個人的には、兄がぶっとんでいて好きです。
天才って変わってるっていうけど、そうなんだろうなあと納得するかんじ。
ただ理論的で冷たいわけではなく、頭がいいからこそ『人間らしさ』を求めていく兄がなんだか儚げで良かった。
あと妹大好きな感じが伝わってきて、癒し。